ブランド品につきものなのが「偽物」の問題
ファション業界で、ブランド品につきものなのが「偽物」の問題で、必ずついてまわる問題となっています。
根本的に、ブランド品は何故偽造品、模造品が多いのでしょうか?
その最大の理由は、ブランド品が高価な品物であるからではありません。
もちろん、それが理由の一つではありますが、確実に断言できることがあります。
それが、多くのブランド品は本国では作られていない事実です。
10万だろうが、20万円だろうがすべてのアパレル製品は、発展途上国か新興国が作っています。
当たり前ですが、デザインは知らずとも製造工程は、最初からよく知っていて当然です。
マニュアルも整備されています。
契約があろうがなかろうが、悪意さえあれば技術は横流しされてしまいます。
ブランドにはネームバリューがありますから、名前さえ通れば費用を惜しまない人や、そのブランド所有に羨望の思いがあり、安く購入できるとあれば、おそらく誰でも飛びつくでしょう。
偽物とは、オリジナルよりも破格なのが最大の特徴です。
クロムハーツのような、男性向けアクセサリーも例外なく偽物がたくさんありますが、上記の他にこれを加熱させる要因が、男性のある種、その特性にあります。
まず男性がファッションに興味が湧く最大の理由は、異性のためでしょう。
ほとんど。99%がそのために容姿を磨いていると言って過言ではありません。
しかし、事実としてアパレルに最も疎いのが男性でもあります。
これが前提ですから、
言い方は悪いかもしれませんが騙すのは女性より遥かに容易です。
クロムハーツは、ハリウッドで生まれた、どちらかといえば「セレブ向け」の
シルバージュエリーで、宝石的には価値はほとんどありません。
シルバーアクセサリーというか、
銀自体はいつの時代でも、銅に次いで「最も安い貴金属」だからです。
つまりクロムハーツは、デザインさえ真似れば、証明書や宝石鑑定、合金比率など書面で明記しませんから、偽物など作り放題です。
まずこうした背景を知らずして、安易に手にして偽物を堂々と身につけている芸能人も多いでしょう。
インド雑貨の店で、アクセサリーに銀製品がやたら多いのは、そもそも材料費が安いということがあるからなのです。
最初から「高級素材」ではないんです。
TOCOMなどの銀相場を見ればすぐにわかります。
投資対象にもならない、ありふれた金属なんですね。
もう一つ、偽物が出回る要因が、この銀製アクセサリーの製造工程です。
これは、技術を学べば職人の方には失礼かもしれませんが、誰でもできます。
ロストワックスという製造方法があるからです。
詳しい製法は割愛しますが、通常のアクセサリーを作っている若い職人の大半は、
この製法でしかシルバーアクセサリーを作っていません。
複製が大量にでき、後は簡単な彫金で同じ製品が大量に作成可能なので、この製法そのままをクロムハーツの複製に使用しているんですね。
仕上げ加工さえ上手なら、素人に見分けがつくはずもないんです。
刻印のことをことさら取り上げる人がいますが、無垢の削り出し製法でない限り、同じものが大量に作れるのですから、机上の空論に過ぎません。
男性向けアクセサリーは、実は市場価値はほとんどゼロに限りなく近いです。
これは事実ですので、どうしようもありません。